今日もY香の部屋に押しかけた。
嫌がるSも一緒に連れていった。

相変わらず、といった様子のY香だった。
私が作ったカレーにも一切手をつけていなかった。
食事は・・・、カップ麺だけのようだ。
それもひとつだけ。
昨日片付けたから、ゴミを数えれば一目瞭然なの。
ムカムカ〜!

「ちょっと! なんで食べてくれないの? こんなのばかり食べてるとあなた死ぬわよ!」
と言っても
「・・・」

「どうして一言もしゃべらないのよ?」
「・・・」

「ちょっとSも何か言いなさいよ!」
「・・・」
Sまでも何も言わない。

ひとしきりわたしだけが怒って、そしてわたしも怒り疲れてきた。
まさに、「ぬかに釘」状態。
「馬の耳に念仏」とも言うわね。

わたしが黙り込むと、
「じゃあ、帰ろうか」
とやっとSが口を開いた。
この、やせ衰えていくY香を前にして言う言葉が
「じゃあ、帰ろうか」だけ?

「一人で帰れば?」
とわたしが言うと、
「ラビも帰るのよ。」
と言ってわたしの腕を引っ張りながら、Y香に向かって、
「ねえ、Y香、もし一人で解決できないことがあるのなら、わたしたちに相談しなさいね。」
と最後にやっと一言だけ。

帰り道でわたしがSに
「Sは冷たい!」
と怒っても、何か考え込んでいるだけった。

別れ際にSが
「ねえ、ラビ? 部屋が散らかっているわりにテーブルの上だけがきれいで、子どもの写真が飾ってあったわよね?」
「それがどうしたのよ?」
「ねえ、テーブルの引き出しの中にお経と数珠が入っていたのに気がついた?」
「だからそれがどうしたのよ?」
「それから、あのテーブルの位置もおかしくない? 部屋の片隅にあって。普通食事するなら、部屋の真ん中じゃない?」
「だから何が言いたいのよ!」
「あれはね、仏壇じゃないのかな?」

えっ? 仏壇?
ま、確かにそう考えたらそうかもしれないけど・・・
でも、それが何だって言うのよ?

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