レディーがお店でコーヒーを飲むときには、彼女は彼女のマイカップで必ず飲むの。
焼き物のコーヒーカップ。

ところで、そのコーヒーカップだけど、彼女は絶対に人には触らせない。絶対に自分で洗うの。置く場所もいつも決まっているの。
とても気になって・・・
今日、彼女がいないときに、そっと手にとってみた。
結構重い。
それに持ちにくい。
どこがいいのか・・・

よく見ると、今までは模様だと思っていたのだけれど、どうやら割れたのを継いでいるみたい。お皿の模様も継ぎ目のあとみたい。
そして、お皿の裏を見てみると、20年以上前の日付が書いてある。
たしか、これは彼女の誕生日。

やっぱり・・・
これはきっと彼からのプレゼントなんだろう。
だから、聞いても教えてくれないし、誰にも触らせないんだ。
ちょっと可愛いな、と思う反面、自分だけずるい、なんて思ってしまう。

でもいいなあ、彼の手作りのコーヒーカップ。
わたしも欲しい・・・
彼が作ったものだと思うと、涙がこみ上げてくる。

ずっと昔、彼から
「お茶の茶碗を買うときは、口をつけてその感触で買うべきだ。お茶碗は見るものでなくて、飲む道具だからね。」
ということを教わったことを思い出した。
で、カップに口をつけてみようかな?って思ったけれど、さすがにレディーに悪いので止めたわ。

わたしには重たいカップも、彼女にはしっくりとくるのだろう。
だって、20年以上も使っているんだから。
そして・・・
彼女はコーヒーを飲むたびに、そっと彼にキスされているんだよね・・・
これから一緒にコーヒーを飲むのが辛いな・・・

衝動的に割ってしまいたくなった自分が怖い。

忘れたくても、忘れられない。
心もからだも、こんなにあなたを求めているのよ。
そんなこと、知らないわよね・・・

寒い夜は・・・あなたに愛してもらった記憶でからだを熱くしたい。
もう、遠い遠い記憶だけれど・・・

切ないな・・・

愛してるの・・・

愛して欲しいの・・・

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索