傘と手紙とコーヒーカップ
2007年8月22日 つぶやきLadyとSと飲んでた。
まあ、この3人が集まると、彼の話になるんだけど、
今日はもともとその話が目的のようなものなので、
彼の話ばっかり。
まあ、自分で言うのもなんだけど、
彼のどこがそんなにいいんだろう???
特にSなんか、手を握ったことも、話らしい話さえしたことないのに。
しかも、Ladyといい、Sといい、
タイプは正反対だけど、年齢不詳の美しさだし。
男なんて、いつだって、いくらだっていようものなのに。
まあ、二人に言わせると、
彼と付き合っていながら、彼以外の人と結婚したわたしが、一番意味不明だそうだけど。。。
言われなくても後悔しまくりよ!
今日の飲み会を誘ったのはわたし。
結局、昨日の手紙は、例の弥勒菩薩の写真の後ろに戻した。
あんな手紙をわたしに託されても、どうしようもなくて。
で、誰もいない朝の喫茶店で独りでいると、
その手紙をいれてある弥勒菩薩が謎の笑みを浮かべるわけよ。
ただでさえ、カウンターの下には、Sの傘が存在を訴えるし、
彼が作ったコーヒーカップが背後から視線を送ってくるし。
んでもって、手紙に対抗すべく、こっそりとモンドリアンの複製画の後ろに、彼が撮影したわたしの若い頃の写真を入れたんだけど、負けてる。。。
広くもない喫茶店で、
傘やら、手紙やら、写真やらが、コーヒーカップを奪い合っているような感じがして、息が詰まりそう。
20年以上の3人の想いが戦っている???
で、まあ、お酒でも飲んで語り合いましょう、というわけ。
なんとなくそんな感じで、お酒に誘ったの。
わたしが聞く。
「どうして、Ladyはあの手紙を渡さなかったの?」
「あの手紙ね、彼に抱かれた今のわたしの真っ直ぐな気持ちというか、情念をどうしても彼に伝えたくて、その後すぐに書いたの。というより、書かずにはいられなかった感じかな。恥ずかしい内容だけど、一気に書いたの。ところが、その直後に、当時の夫にむりやり犯されて。。。もう、万一望みどおり妊娠しても、生まれるまでどちらの子どもかわからなくなって。」
「。。。」
「それで、夫の子どもを宿しているからだで、彼に抱かれるのは彼に対して罪だと思ってね。。。そんな状態で彼に会っても、どういう態度を取ればいいかも分からなかったので、会うことさえ避けて。。。」
「それで、渡せなかったんだ。」
「もし、彼の子どもだったら、そのときは渡そうと。もちろん、彼には、彼の子どもだということは死んでも言うつもりはなかったけどね。でも、運命は残酷よね。。。とてもいい子なんだけど。」
「えっ、彼の子どもじゃないの?」
「もう、違うわよ。なんとなく似ているんだけどね、笑顔とか、歩き方とか。ときどき、自分でもはっとすることあるのよ。でも、血液型がね。。。」
Sも「わたしも、てっきり。。。」
「あの子が生まれた頃、この子が生まれなかったら彼の子どもを。。。なんて思い、そんな自分が嫌で。なんとなく彼に会わす顔もなくて、ほとんど避けるようになって。。。彼とお寺や神社を回った頃のことばかり考えてた。」
「。。。」
「少し前に、絵の関係で、一回り以上も年下の人に結婚を申し込まれて。。。まあ、踏ん切りをつけようかなって思い、渡しそびれた手紙を持って会いにいったんだけど。。。彼と一瞬目が合って、急いで隠れてしまって(笑)。それに。。。汗いっぱいのひたむきな彼を見てると、やっぱり好きだな〜って。それで、結婚する気がすーっと引いて。あと、なんとなく、あなたたちを裏切るのも。。。とかね。」
「。。。」
「好きな人のことを遠く想って、美女三人でお酒を飲むなんてのもいいじゃない?」
Sとわたしは、じっとLadyの話を聞いてた。
おもむろにSが言う。
「わたしも、その手紙を読んでいいですか?」
「いいわよ。というより、今聞かせてあげるわよ、酔った勢いで。」
と言って、Ladyが手紙の内容をSに伝えた。
わたしたちは、目をつぶって聞いた。
そして、しばらくの沈黙の後、Sがつぶやく。
「そんな風に感じるんものなんですね。。。本当は。」
「Sちゃん、そんなものじゃないわよ、言葉では言い表せないから。再会したときなんて、もうキスだけで泣きそうに感じるし、お互いの服を通して体温が伝わるだけで息が止まりそうになったもの。彼の指が服の上から背中を這うだけで声が漏れて。。。抱きしめられたときには、もうすでに意識が飛んでたもん。悪いこと言わないから、一度彼と経験してみなさいよ。知らないのは。。。そうね、女に生まれた意味を知らないのと同じよ。」
「ちょお〜っと、何を言うのよ。あんなの知ったらかえって苦しむわよ、Sが。アフターケアーの保証がないんだから。それに彼の都合だってあるわけだし!」
と思わず大声を出したわたし。
「あらっ、アウターケアーがあるかどうかは、彼しだいでしょう。嫌だったら彼が拒めばいいわけだし。知らずに後悔するより、知って後悔する方がいいに決まってるじゃない。焼きもちもいい加減にしなさい!」
とLadyに叱られた。
グスン。。。
それに、彼が断れるわけないじゃない。。。
「けんかしないで(笑)。わたしは、ただ、傘のお礼さえ言えればそれ以上は。。。ただ、ちょっと聞いてみたかっただけなんです。どんなのかなって。それより、来年はわたしもお祭りに連れて行った下さい。遠くでいいから、見たみたいです。」
「ホント、ラビと違って奥ゆかしいというか。。。」
ふん、どうせわたしは卑しいんです。
Sが言う。
「あの、弥勒菩薩の写真って、あの人が撮ったんですか?」
「あら、よくわかったわね。」
(えっ、そうなんだ!)
「広隆寺の、ですよね。」
「そう、とても気に入ってるのよ、わたし。」
「彼が一番好きな彫刻ですよね。高校生の頃、そう言ってました。だから、その中に手紙を入れていたんですね。」
(そ、そうなんだ!)
「Sちゃんは、ぜ〜んぶお見通しなんだ、さすがね。」
「いえ、そんな。ただ、お店の中の絵は全部前衛的な洋画なのに、一枚だけ仏像って不思議だな〜って思ってたんです。ただ、それが違和感がないのも不思議で。。。やっとすっきりしました(笑)」
「ほら、ラビは独りでなにすねてるのよ。だいたい、一番愛されていたんだから、それでいいじゃない、ね。」
わたしだけ、レベルが低い。。。かも。
まあ、この3人が集まると、彼の話になるんだけど、
今日はもともとその話が目的のようなものなので、
彼の話ばっかり。
まあ、自分で言うのもなんだけど、
彼のどこがそんなにいいんだろう???
特にSなんか、手を握ったことも、話らしい話さえしたことないのに。
しかも、Ladyといい、Sといい、
タイプは正反対だけど、年齢不詳の美しさだし。
男なんて、いつだって、いくらだっていようものなのに。
まあ、二人に言わせると、
彼と付き合っていながら、彼以外の人と結婚したわたしが、一番意味不明だそうだけど。。。
言われなくても後悔しまくりよ!
今日の飲み会を誘ったのはわたし。
結局、昨日の手紙は、例の弥勒菩薩の写真の後ろに戻した。
あんな手紙をわたしに託されても、どうしようもなくて。
で、誰もいない朝の喫茶店で独りでいると、
その手紙をいれてある弥勒菩薩が謎の笑みを浮かべるわけよ。
ただでさえ、カウンターの下には、Sの傘が存在を訴えるし、
彼が作ったコーヒーカップが背後から視線を送ってくるし。
んでもって、手紙に対抗すべく、こっそりとモンドリアンの複製画の後ろに、彼が撮影したわたしの若い頃の写真を入れたんだけど、負けてる。。。
広くもない喫茶店で、
傘やら、手紙やら、写真やらが、コーヒーカップを奪い合っているような感じがして、息が詰まりそう。
20年以上の3人の想いが戦っている???
で、まあ、お酒でも飲んで語り合いましょう、というわけ。
なんとなくそんな感じで、お酒に誘ったの。
わたしが聞く。
「どうして、Ladyはあの手紙を渡さなかったの?」
「あの手紙ね、彼に抱かれた今のわたしの真っ直ぐな気持ちというか、情念をどうしても彼に伝えたくて、その後すぐに書いたの。というより、書かずにはいられなかった感じかな。恥ずかしい内容だけど、一気に書いたの。ところが、その直後に、当時の夫にむりやり犯されて。。。もう、万一望みどおり妊娠しても、生まれるまでどちらの子どもかわからなくなって。」
「。。。」
「それで、夫の子どもを宿しているからだで、彼に抱かれるのは彼に対して罪だと思ってね。。。そんな状態で彼に会っても、どういう態度を取ればいいかも分からなかったので、会うことさえ避けて。。。」
「それで、渡せなかったんだ。」
「もし、彼の子どもだったら、そのときは渡そうと。もちろん、彼には、彼の子どもだということは死んでも言うつもりはなかったけどね。でも、運命は残酷よね。。。とてもいい子なんだけど。」
「えっ、彼の子どもじゃないの?」
「もう、違うわよ。なんとなく似ているんだけどね、笑顔とか、歩き方とか。ときどき、自分でもはっとすることあるのよ。でも、血液型がね。。。」
Sも「わたしも、てっきり。。。」
「あの子が生まれた頃、この子が生まれなかったら彼の子どもを。。。なんて思い、そんな自分が嫌で。なんとなく彼に会わす顔もなくて、ほとんど避けるようになって。。。彼とお寺や神社を回った頃のことばかり考えてた。」
「。。。」
「少し前に、絵の関係で、一回り以上も年下の人に結婚を申し込まれて。。。まあ、踏ん切りをつけようかなって思い、渡しそびれた手紙を持って会いにいったんだけど。。。彼と一瞬目が合って、急いで隠れてしまって(笑)。それに。。。汗いっぱいのひたむきな彼を見てると、やっぱり好きだな〜って。それで、結婚する気がすーっと引いて。あと、なんとなく、あなたたちを裏切るのも。。。とかね。」
「。。。」
「好きな人のことを遠く想って、美女三人でお酒を飲むなんてのもいいじゃない?」
Sとわたしは、じっとLadyの話を聞いてた。
おもむろにSが言う。
「わたしも、その手紙を読んでいいですか?」
「いいわよ。というより、今聞かせてあげるわよ、酔った勢いで。」
と言って、Ladyが手紙の内容をSに伝えた。
わたしたちは、目をつぶって聞いた。
そして、しばらくの沈黙の後、Sがつぶやく。
「そんな風に感じるんものなんですね。。。本当は。」
「Sちゃん、そんなものじゃないわよ、言葉では言い表せないから。再会したときなんて、もうキスだけで泣きそうに感じるし、お互いの服を通して体温が伝わるだけで息が止まりそうになったもの。彼の指が服の上から背中を這うだけで声が漏れて。。。抱きしめられたときには、もうすでに意識が飛んでたもん。悪いこと言わないから、一度彼と経験してみなさいよ。知らないのは。。。そうね、女に生まれた意味を知らないのと同じよ。」
「ちょお〜っと、何を言うのよ。あんなの知ったらかえって苦しむわよ、Sが。アフターケアーの保証がないんだから。それに彼の都合だってあるわけだし!」
と思わず大声を出したわたし。
「あらっ、アウターケアーがあるかどうかは、彼しだいでしょう。嫌だったら彼が拒めばいいわけだし。知らずに後悔するより、知って後悔する方がいいに決まってるじゃない。焼きもちもいい加減にしなさい!」
とLadyに叱られた。
グスン。。。
それに、彼が断れるわけないじゃない。。。
「けんかしないで(笑)。わたしは、ただ、傘のお礼さえ言えればそれ以上は。。。ただ、ちょっと聞いてみたかっただけなんです。どんなのかなって。それより、来年はわたしもお祭りに連れて行った下さい。遠くでいいから、見たみたいです。」
「ホント、ラビと違って奥ゆかしいというか。。。」
ふん、どうせわたしは卑しいんです。
Sが言う。
「あの、弥勒菩薩の写真って、あの人が撮ったんですか?」
「あら、よくわかったわね。」
(えっ、そうなんだ!)
「広隆寺の、ですよね。」
「そう、とても気に入ってるのよ、わたし。」
「彼が一番好きな彫刻ですよね。高校生の頃、そう言ってました。だから、その中に手紙を入れていたんですね。」
(そ、そうなんだ!)
「Sちゃんは、ぜ〜んぶお見通しなんだ、さすがね。」
「いえ、そんな。ただ、お店の中の絵は全部前衛的な洋画なのに、一枚だけ仏像って不思議だな〜って思ってたんです。ただ、それが違和感がないのも不思議で。。。やっとすっきりしました(笑)」
「ほら、ラビは独りでなにすねてるのよ。だいたい、一番愛されていたんだから、それでいいじゃない、ね。」
わたしだけ、レベルが低い。。。かも。
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