Sが今も裁判官なら怖くない。
弁護士のSも怖くない。

彼はでしゃばりな女性は好みではない。
けな気な女性が好き。
誰もうらやましがらないようなことを、コツコツとしている女性を見ると、心が動かされる。

だから、お豆屋さんをしているSは、彼のストライクゾーンに的中している。
なんといっても、彼の女性像の原点は、お豆腐屋のお姉ちゃんだから。
だから、とても心配。

もちろん、Sの恋心を一度くらいは満たせてあげたい。
ううん、それが彼でないなら、たとえそれが不倫の恋であっても、100%応援してあげるし、
本当は今でも、「S、がんばれ!」と思う私もいるの。

でも、
でもね。。。
かれとSが愛し合う姿を想像すると、胸が締め付けられる思いがする。

きっと、Sと彼のセックスの相性はぴったり。。。かも。。。
もう数年以上、男性に触れられずにいるからだ。
しかも、男性で逝ったことがないからだ。
そんなからだに彼の愛撫が加えられれば、もう絶対にはまっちゃうことは間違いないもん。
あの、ボディーだしね。

しかも、Sは尽くす女であることだけは間違いないから、
きっと彼の要求には何だって応えるだろうし、
どんな恥ずかしいことでも喜んでするはず。
そしてその全てが、快感であるはず。

彼だって、そんなSを絶対に気に入っちゃうもん。
ある意味で彼の考えはすべてわかるから、
彼が望むことは、何だって、何だって、何だってするんだよね。

わたしは、彼のペニスを全部飲み込むことが苦手だった。
苦しいのが嫌だったことも少しあるけど、よだれがだらだらと流れる姿を見られるのがとても嫌だったから。
でも、SはとてもMなので、きっとうれしいはず。
なんたって、30年以上の恋だしね。
きっと、なんどもオエッってなりながらも、涙とよだれを流しながら、無我夢中にほおばり、のどの奥で愛撫するんだろうな。

わたしは、アナルが苦手だった。
アナルで気持ちよくなることが恥ずかしかったから。
おしっこするところを見せたり、浣腸したり、排便したり、
そんなのは全部断った。
自慰するところを見せるのも嫌だった。
いつも思っていた。
「どうして、もっと大切にしてくれないの?」
だからいつも言っていた。「嫌よ」って。
何もわかっていなかっただけ。

Sなら彼のどんな要求も、少しのためらいを含みながら「はい」ってお返事して、そして目を伏せながらも「これでいいですか?」と言いながら、恥ずかしい姿勢をとって彼の行為を待つに違いない。
そして彼に「ああ、いい子だ。」って褒めてもらえるんだろうな。

ううん、きっと彼女なら、彼の言葉を待つまでもなく、
たとえば、待ち合わせの場所に、自らローターを秘部に忍ばせて来て、そして彼にスイッチを入れてもらったりとか、
あるいは、前回のデートからずっと身につけていたパンティーをその日も身につけてきたりとか、
あるいは、自ら浣腸を用意しておいて、彼におねだりしたりとか、
あるいは、彼の気持ちを読んで、自らアナルを指で広げて「どうぞお使い下さい」とか。

わたしが心のどこかで望んでいて、でも恥ずかしくて嫌なことでも、きっとSは「彼に喜んでもらいたい。」というその一心で、全てをさらし、全てを捧げるに違いない。
そんな女性をどうして喜ばない男性がいようか。

もう、わたしなんて、忘れられてしまう。
それが哀しくて、とても怖くて。

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