そういえば。。。

Sなんだけど、
あれから一度も彼に逢えないらしい。

ごくろうさま。

でも、一度くらいは彼と結ばせてあげたいかも。
ただ、一度ではすまないから、それが嫌。
今の彼女に、Sまで加わったら、
わたしの順番が永遠にこないもん。

たぶん、そのほかにも待機組みがたくさんいるだろうし。
どういうわけか、もてるんだもん、昔から。
咲いているだけで、蝶が群がる花みたいなもんかな。
きっと、どうしようもなくなるような甘い蜜の香りを出しているんだ、彼は。
目に見えない甘い蜜の香りを。
そして、その蜜の香りをいちど嗅いでしまうと、ずっと忘れられなくなるんだよね。

その甘い香りの中に、麻薬のような危険な香りが含まれていることを知らないで。

甘い危険な香り。。。
わたしのからだの隅々にまで浸透し、わたしの神経回路は犯されている。