節句

なんとなく。。。いつの間にか。。。毎年のように過ぎていく「重陽の節句」。

ふと思い出したように、あの人が大好きなお茄子の料理を作ってみた。
2日遅れのお祝い。

昔、言ってたよね。
「9月9日は、どの節句よりもおめでたいな日なんだ。」
それで思い出したように、いろいろな料理を作ってみた。
お茄子だらけ。。。


「あらっ、今日は何の日なの？」
「何の日だっけ？」

みんな気づく。
彼が大好きなお茄子の料理を並べればね。

でも、ないしょ。
2日遅れだとは誰も気がつかないよね。
勘の良いLadyもお手上げみたいだし。
ひょっとしてみんなは知らないのかな？
なんとなく優越感。


でも、去っていった日々は戻らない。
昔はあんなに近かった距離が、今はもう遠い。
果てしなく。。。


ブログで交換日記してた彼女とは、まだ続いているんだろうな。
お茄子の料理とかも、作ってもらったりしてるんだろうな。

わたし。。。練習したのに、結局一度も食べてもらったことがない。
自信あるんだけど、お茄子だけは。



もし「最後の一日」が与えられたなら、食べてもらいないな。
あ～ん、でも。。。街角を腕を組んで歩くのもいいし、
古びた喫茶店で、煙草を片手にcoffeeを飲むのを、ボーっと見ていたい気もする。
何かをしゃべるでもなく、ただぼんやりと一日を過ごすのもいいな。

結局、一緒にいられる時間さえあれば、何でもいいんだよね、きっと。
そういう時間を持てたり、約束してもらえたり、
そういうことが、今はとても大切なことがよくわかる。


ぱいちゃんが、マフラーを編んでる。
初めて編むので、正直言うと下手だ。
わたしを含めて、みんな下手なので、誰も教えられない。
だから、彼女は本を読んで編んでいる。
「贈るわけ？」
ううん、と首を振る。
「こんなの贈られたら、重いでしょ？」
「でも、編むんだ？」
「なんとなく記念に。編んでみたい気分なんです。」
「で、どうするの？」
「わたしがしようかなって」

まだ、暑いのに。
でも、あんたはいい子だよ。