自慰

自慰をしない、
と決めてから、もうずいぶん経つ。
２ヶ月くらい？　もっと？

もちろん、
というべきか、どうかはわからないけど、性欲はある。
「したい」夜もある。
でも、しない。

ずいぶんと我慢してるから。。。
「したい」夜には、乳首の周りをなぞるだけで怖いくらい感じる。
し出すと止まらなくなるから、それ以上は触らない。
触らなければ、何も起こらないから。


どうして自慰を止めよう、と思ったのかは、自分でもよくわからない。
ただ、性欲がなくなればいいのに、とはずっと思ってる。
でも、本当に性欲がなくなったら淋しいとも思う。

「性欲」と書いたが、実は「性欲」という言葉とは少し違う。
ぴったりの言葉を捜すのは難しいけど、あえて言葉にするなら、
「彼に抱かれたい」

彼が抱いてくれるなら、私はいつでも飛んで行く。
一緒に暮らしてくれるなら、すべてを投げ出してもいい。
これが、私の本音だ。
でも、実現可能性がない今となっては、ただの「夢」なんだけど。

セックスがよくて、自慰が悪い。
という理由は、自分でもよくわからない。
ただ、最近、自慰には罪悪感のようなものを感じる。
「罪悪感」。。。ちょっと違うな。
そうね、「自己嫌悪」かな。


彼に抱いてもらえる可能性がないのに、「性欲」だけが取り残されて、
その取り残された「性欲」は、彼に抱いてもらうことでしか解消できないのに、
それがわかっているのに、自分の指で解消しようとする虚しさ、愚かさ。
そういうことに、嫌悪感があるのかもしれない。

ただ、たとえ一瞬でも快楽が得られるのに、それを我慢している自分に、
どこかナルシスト的な自己満足を感じているだけなのかもしれないけど。。。




また、１年が終わる。
どんどん、歳をとっていく。
どんどん、恋をする年齢でなくなってくる。
この歳で、「抱かれたい」などと言うこと自体、恥ずべきことなんだろう。

彼が一言、「抱きたいよ」と言ってくれるだけで、
この膿んだ精神は、開放されるだろうに。


来年、またかなうべくもないその一言を待って、
そうやって、また１年が過ぎていくんだろう。


彼以外を考えられない、この心とからだ。
この閉ざされた心とからだを、また持て余す１年がやってくる。。。